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2024.12.14 - Sat

ベアリングのはめ合いについて

山本です。
今回はベアリングのはめ合いの基礎についてです。
ベアリングの性能を最大限に引き出すためには、「はめ合い公差」を正しく設計することが不可欠です。
はめ合い公差の基本的な考え方、体的な設計例について解説します。

ベアリングのはめ合い公差とは、内輪や外輪が軸やハウジングとどのような状態で接触するかを決定する寸法範囲のことです。
適切なはめ合い公差を選定することで、ベアリングの回転精度、寿命、性能が大きく向上します。
はめ合いには以下の3種類があります
・すきまばめ(クリアランスフィット):軸と内輪、またはハウジングと外輪の間に一定の隙間を持たせる。回転が自由で、取り付けや分解が容易。
・しまりばめ(インターフェレンスフィット):軸と内輪、またはハウジングと外輪を圧入して固定する。高い剛性が求められる場合に適用。
・中間ばめ(トランジションフィット):すきまばめとはめあいばめの中間で、軽い圧入やわずかなすきまがある状態。

では、具体的に一番よく使用する深玉ベアリングを例にあげてみましょう。
まず受ける荷重の条件は以下の4つがあります。
①内輪回転、内輪への静止荷重

 

②外輪回転、外輪への不釣り合い荷重

 

③外輪回転、内輪への静止荷重

 

④内輪回転、内輪への不釣り合い荷重

 

この場合、①②、③④がそれぞれ同一条件として考えられます。
①②の場合、内輪に対して荷重がぐりぐり回転する様にかかる回転荷重となり、高い負荷がかかりますから、内輪をしまりばめにします。
逆に外輪に対しては常に同一方向に荷重がかかる静止荷重となるためすきまばめとします。
③④の場合、外輪に対して荷重がぐりぐり回転する様にかかる回転荷重となり、高い負荷がかかりますから、外輪をしまりばめにします。
逆に内輪に対しては常に同一方向に荷重がかかる静止荷重となるためすきまばめとします。

例えば単純な走行台車の車軸の場合は、③のイメージで、外輪側に回転荷重がかかる為、外輪をしめる。
内輪軸でワイヤーを巻き上げる機構の場合は、①のイメージで、内輪に回転荷重がかかる為、内輪をしめる。という事ですね。
イメージが付きましたでしょうか。

ここで注意が必要なのが、クロスローラーベアリングのはめ合いを決める際は、①②③④どのパターンとなっても回転する側が回転荷重となることです。
つまり、外輪回転=外輪回転荷重で内輪静止荷重
その逆、内輪回転=内輪回転荷重で外輪静止荷重

ややこしいので間違えない様にしましょう。

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